行っチャオ!海外!

イタリア人夫との世界アッチコッチ旅行記 (アメーバブログから引越ました!)

僕たちは世界を変えることができない

今回の旅行で、私達はイタリアからカタール航空を利用したんですが、

機内のエンターテイメントプログラムの中にたまたま向井理クン主演の映画

『僕たちは世界を変えることができない』 がありまして、カンボジア旅行前の予習に丁度良いなぁ~と、Fabcinoさんと一緒に観る事にしました。

東京の冴えない医大生が、たまたま見かけた「カンボジアに学校を作ろう」と言うボランティアのチラシを手に取り、自分でサークルを作って資金集めをする・・・実話を基にした話です。

映画としての出来栄えは別にして、カンボジアと言う国のアウトラインをサーッと紹介してくれるので、カンボジア旅行前に観るにはお勧めです。

実際、タイの国境からシェムリアップに向かう幹線道路の脇に「うさみさま」「ゆめスクール」と日本語が壁に大きく書かれた学校を目にして、あ~、日本人の宇佐美さんが建てた『夢』って名前の学校なんだな~・・・と、日本人の善意で建った学校を目にして嬉しい気持ちになりました。

 

カンボジアには、まだまだ学校の数が足りなくて子供達が通えない状況だそうですが、最近は、多少遠くの学校でも自転車やバイク(高校生)で通える様にになりつつあるそうです。

でも、学校が近くにあっても学校に通えない子供達もたくさんいるそうで、今回は、カンボジアで私達が出会った小さな子供達について書いてみたいと思います。

 

カンボジアでの旅行の中で、一番思い出に残っている写真を1枚。 

        アンコール 夕食

これは、シェムリアップの街の中の屋台でトゥクトゥクドライバーのマイクとその彼女と夕食を一緒に食べていた時に撮った写真です。

私達4人が食事をしていると10歳の女の子と12歳の男の子がポストカードを売りに来たんです。

「ごめんね、もう、ポストカードは他で買っちゃったの」

女の子「だったら、夕食を私達にも食べさせて」

 「へっ?!ご飯食べたいの?」

女の子「うん」

「じゃぁ、どうぞ」 ってなわけで、私達のテーブルにポストカード売りの兄妹が加わりました。

子供達はスープに麺の入った料理をオーダー。

すると、また、ひとりの男の子が私達のテーブルで立ち止まり、何かカンボジア語でごねています。

「どうしたの?」

「この子も食べたいの?」

Fabcino「じゃぁ、ここに座って良いよ」

ってな訳で3人の子供達が私達と一緒に食事をする事に・・・。

ポストカードを売っていた女の子が(英語で)話した所によると、この兄妹は5人兄弟の真ん中で、学校には行っていないんだけどボランティアの英語の教室には通っているそうです。

家にお金がないので昼の3時頃から夜の9時頃までシェムリアップの繁華街で観光客相手にポストカードを売っています。

家は街の中心から2kmくらい離れているので、車かバイクでここまで誰か(多分、子供達にポストカードを売らせている元締めのような人がいるんでしょうね。)が連れて来てくれるそうです。

この子達は、今は英語を学びながら家計を助けて、もう少し大きくなったら学校に行くんだと言っていました。

 

カンボジアにはこんな子供達がたくさんいます。学校に日中通えている子供達でも、学校が終わると仕事をする。子供も皆働いて当然の社会なんですね。

 

でも、あとでやって来たもうひとりの男の子(4歳)は話がちょっと違っていました。

ポストカードを売る女の子は、この男の子を知っていて彼女が話してくれたのは・・・

「この子は、ひとりなのよ。ひとりで2kmくらい歩いて街まで来て、プラスチックを拾って夜中にまた歩いて家まで戻るの」

 「この子のお母さんは自分が物乞いだったから、この子の稼ぎが悪いとブツの」

 「お父さんはお酒好きで1日カードで遊んでいるの」

「この子が何時からここにいるかって?2時頃から夜中の12時頃までよ」  

              男の子    

・・・あなた、小さいのに本当に苦労してるのね・・・  

あまり笑わない子なんだけど、カメラを向けた時だけ子供らしく笑ってピースをしてくれました。

チャーハンを美味しそうに食べると、残った分はお持ち帰りパックにしてもらって、

「アックン(ありがと)」と私達に礼を言って、またプラスティックを集める黒いゴミ袋を引きずって去って行きました。

今回の旅行の中で、一番印象に残ったのは、この男の子のこと。

私には、何もしてあげられないんだなぁ・・・と、

ただ、今夜の夕食を食べさせてあげることくらいしかできないのだなぁ・・・と、自分の無力さを痛感しました

私には、この子の両親を変える事はできないし、この子をこんな生活から救ってあげる事もできない。

「世界をかえる」どころか、目の前にいる小さな男の子の生活を変えることもできない。

『僕たちは世界を変えることができない』

まったく、その通りだと思う。

 

映画の中で、主人公が引用したマザー・テレサの言葉

   私の行いは大河の一滴にすぎない    

   でも何もしなければ    

   その一滴も生まれないのです

 

 

 私に、何ができるんだろうか?

考えさせられたカンボジアの旅でした。

 

次回『アンコールワットからバンコクへ 【痛恨の置き忘れ事件】』  につづく